新しいご縁。
推定10歳は超えているであろう、柴犬のおじいちゃん。
寒川にある『UKC JAPAN』のシェルターに保護されている犬です。
シェルターに暮らしている犬の多くは、
東日本大震災の原発事故の影響で避難区域から保護された犬ですが、
(最近はブリーダー崩壊等もあります)、
ご老公様の身の上はちと違います。
シェルター近くのコンビニでうずくまっているところ、保護された迷い犬。
シェルターの代表は関係各所に知らせ、飼い主が現れるのを待ちました。
が、待てど暮らせど沙汰なし。
恐らく・・・いや絶対。
年老いて見捨てられてしまったのでしょう。
考えるとハラワタが煮えくり返るほどの怒りがこみ上げてきます。
そんなご老公様の悲しい境遇に、
かねてより心を痛めていた仲良しの健斗の母さんが、
ご老公様に会いに遠路はるばる湘南にやってきました!
世紀の一大決心です。
雨の日も風の日も~週2回はシェルターへお手伝いに通い(すごい!)、
もはやベテラン中のベテランで、
ボランティアさん達の間でも信頼の厚いMichyさんさんと一緒に、
健斗の母さんを出迎えました。
シェルターの外にお散歩へ連れ出しました。
健斗の母さんてば、
顔の部分をぼかしても、強張ってると分かるくらいド・緊張。
いつもの人懐っこい笑みが完全に消えちゃってます。
Michyさんも私も健斗の母さんの緊張感が伝わってきて、ドキドキ。
顔は真っ白だし、
ブラッシングが行き届かず、汚れた毛布のような毛並みのジジイですが、
足腰はとても強健。しっかりとした引きと足取りでカクシャクとしております。
あれ?そういえば私。
ご老公様が吠えているの聞いたことないかも。
他のわんこを一歩外から見ているような世を達観しているような孤高の犬。
一言でいうと・・・仙人タイプ。
健斗の母さん。気に入ったかなぁ。
予想よりジジイかな。
健斗君との相性は落第点かな乃第点かな。ダメかな。
どうかな…。
とっても気になったけど、
健斗の母さんの表情は相変わらず強張ったままで、
面会では何も読み取れなかった。
そして帰り際。
折角なのでシェルターをざっと案内している時、ピーンと張りつめていた糸がぷつっと切れた。
健斗の母さんの目から大粒の涙が溢れる。
シェルターのコ達は幸運にも処分されず保護され
ボランティアさんにたくさんの愛情を注いでもらっているけど、
不自由な生活を強いられている。
それもこれも元はといえば、全て「人間の犯した罪」の被害者。
覚悟はあっても、初めて目の当たりにする現実はとても辛かったことでしょう。
健斗母さんのピュアな涙に触れて、もらい泣きしてしまったMichyさんと私。
シェルターの雰囲気はすっかり慣れっこだった私達ですが、
初めてシェルターにボランティアにきた時の衝撃に似た気持ちを思い出した。
おまけに代表が健斗の母さんに、ちょっと(かなり)いいことを言うもんだから、
なんだかとってもしんみりとランチへ向かった。
Michyさん&健斗の母さんチョイス。
私チョイス。
健斗の母さんリクエストのお蕎麦です。
健斗の母さんが口火をきった。
「私の中では、はっきり決まっているよ。」
きゃぁ~あ♪
■手打ちそば
「東風園」
神奈川県高座郡寒川町大曲3-11-2
0467-75-7773
ランチ後はかわいこちゃん達に会いにMichy家へ。
あーくと同じ緑内障と闘ったミッチーちゃん。
昨年の10月。
シェルターからMichy家に迎えられた貫太君。
まだ何も知らないご老公様。
これからシンデレラストーリーの幕開けだよ。
幸せになるんだよ。