麗水へ~韓国ドタバタ紀行・2日目

翌朝。目が覚めて一歩外に出るとすばらしい光景が広がっていました。
ここはどこ~っ!?
昨晩の到着時には真っ暗で、当たりの様子など伺うことなどできなかったが、その全貌が日の出と共に次第に明らかに。
朝日に照らされる重厚な古い家屋にしばし言葉を失う。まるでタイムスリップしたよう。
初体験の蚊帳&オンドル部屋(韓国特有の床暖房)に、はしゃぎながら眠りについたものの、その熱さに夜中に何度も喉が渇き、床の固さに体はきしんでいて目覚めは決して良いものではなかった。でも、そんな不調は一気に吹っ飛んだ。
眼下から吹き上げるキンと冷えた潮風とオレンジに輝く海の美しい景色に魅了。
縁側に胡坐をかき、日に照らされて刻一刻と変化する海の色を時間を忘れて見入っておりました。

「ぐぅ~きゅるる~」
お腹がなった。
なんて無粋な腹なんだろう。どこに行っても、私の腹時計は時間を忘れない。
朝ごはんはまだかいな?
*2日目・朝ごはん*

朝ごはんは「あわび粥」。あっ・・・あわび粥!?目覚めに見た景色の感動は今や何処・・・食欲の塊。
パンチャン(小さなおかず)の蒸したあわびを勧められ遠慮もなく2個いただき、さらに美味しかった自家製のキムチはおかわりを盛ってもらう始末。
こんなに食べられるかな?と思っていた丼一杯のお粥と共にたちまち消えうせた。
美味いにもほどがある!!
今日の予定はハイキング・・・

韓国では山あいで日当たりのいい場所にお墓を建てるのがよい先祖孝行といわれており、車が分け入ることができない山道は自らの足で登らなければなりません。韓国人はお年を召されていても健脚の方が多いのは、この辺に秘密があるのかも。
運動不足の足には堪えます。



祭祀(チェサ)のお供え物は日本のような精進料理ではなく、海の幸・山の幸やそして肉類も並びます。その豪華なこと!伝統料理なので唐辛子が入ったものはありません。(意外にも韓国に唐辛子が伝来したのは最近です。)
私も主婦の端くれ。
これだけの品数を用意するのは何日もかかったろうなと、その労を考えると頭が下がります。


好きなものを摘むようにすすめられたけど、仏様のお供え物を手掴みでいただくのは躊躇。これも文化の違いですね。
これらのお供え物を少しづつ切り分けて、大きなボールで豪快にビビンビビン(混ぜ混ぜ)。
味の決め手は、海の街らしく牡蠣の粥。
私が今まで食べたビビンバの中で一番の豪華版でありました。
ところでこの昼食の影に私の試練が。
一つの器を回して茶を飲む(韓国はフツーです)のには、家族とも口移しはできない私にはかなりの抵抗がありました。しかし背に腹は変えられない。
山道を歩き汗をかき、喉が張り付くほど渇いていた。
目をつぶって心を無にして飲んだけど、今思うとよくできたなぁ~と思ふ。
このあとは、찜질방(チムジルバン)・日本でいうとこの健康ランドに行き汗を流す。
韓国女性の前を隠さず堂々とした立ち振る舞いにタジタジ。
若い娘の腹筋にすーっと縦線が入ったナイスバディぷっりに何度もちら見。わたしゃエロか?
なぜか歯を磨いている人が多かったのが印象的でした。
実は家の風呂場に馴染めず、昨日から風呂に入っていなかった汚ちゃない私。
さっぱり!リフレッシュいたしました。
*2日目 晩ごはん*

この日の晩餐。人数が多かったのは、私には追い風です。
大人たちに目の届かない位置に陣取り、さも夫が飲んでいるふりしてビールを盗み飲み。
そこまでして飲みたいか!?
当たり前です。だってこれ鱧(ハモ)ですよ~!
鱧は麗水の名物料理で、韓国語で하모유비키(ハモユビキ)そのままです。


高麗人参や棗や訳のわからん薬草がたっぷり入った漢方スープは、滋養強壮に効きそう。その中へハモを投入し、しばし「しゃぶしゃぶ。」いたします。
すると、まるでぼたんの花がぱぁ~と咲いたかのように、鱧の花びらが開いたら食べごろ。
お好みの葉野菜に巻いていただきます。

居酒屋さんでゴムのように固く、味のないパサついた鱧を食べた程度。その印象は非常に悪かった。私が食べたあれはなんだったのか。
骨きりの必要がないほど柔らかい骨と歯切れのいい皮、肉厚な身は脂がのって程よくジューシー。
まるで別物よ。この舌で真打の味を覚えましたぞ。

〆で出てきた雑炊。
多分、鱧をしゃぶしゃぶした漢方スープを使って作られていると思われる。
ポタージュのような濃厚なとろみ、味はカンポー。美味しいとか不味いとか超越した乙な味わいでございました。
鱧を堪能した帰り道の連絡船から見えた夜景。
麗水市のシンボルである「突山大橋(トルサンテッキョ)」がライトアップしています。時間によって色が七色に変化していきます。
船の揺れのため写真がブレブレで美しさがお伝えできなくて残念。


